カルテット・マジコ<ファンタスティック4

今日はまずブラジルvsオーストラリアの試合について書きたいと思います。
ここで言いたいことはタイトルの通りです。
ロナウドアドリアーノロナウジーニョ、カカ
この4人のクラッキの揃い踏みによって形成されるカルテット・マジコ
対戦相手にとっては世にも恐ろしい布陣に見えますが、
実際は名前ほどの怖さはないですね。
この布陣、私は実は別のチームで見たことがあります。
それは


レアル・マドリードです。
ルシェンブルゴ政権2年目となった05−06シーズンに彼がぶち上げた
クアドラード・マジコとそっくりです。
彼の場合はロナウドロビーニョ(ラウール)、ジダンベッカム、バチスタ、グティ
が正方形を2つ作るというものでしたが、
これをブラジルのカルテット・マジコ+エメルソン、ゼ・ロベルト
当てはめると瓜二つです。
『フォーメーションが同じ4−2−2−2なんだから当然じゃないか!』
という突っ込みが返ってきそうですが、私が言いたいのはそこではありません。
フォーメーションが同じなのではなく、
攻撃における前線の停滞が瓜二つなのです。


クアドラード・マジコカルテット・マジコも、
攻撃の形は中央突破、さらには速攻ではなく遅攻です。
現代サッカーは速攻がなによりも重要です。
相手が陣形を整える前に攻め込んだほうが、当然効率がいいですからね。
なので遅攻で相手守備陣(しかも大混雑している中央)を崩すということは
大変難しいわけですね。
ルシェンブルゴパレイラもこの難題に対する解決策は同じです。
ズラリと並んだスーパースターたちのスーパープレーに任せる
というものです。


私に言わせれば監督失格ですね。
選手に任せる・つまり自分では解決策を見出せないと言っているようなものです。
引いた相手を中央から崩すサッカーは、
セルビア・モンテネグロ戦でアルゼンチンが見せたサッカーですね。
スターたちが労を惜しまずスペースを作るため、
また、できたスペースを突くために常に走り、
意思を統一させてチームとして連動して動く。
これがなければどんなにスーパースターがいても崩すことなんかまずできません。


そしてこの連動して動くということをブラジル、
そしてレアルから奪っている1番の役立たずロナウドです。
クロアチア戦よりは改善が見られましたが、
この試合も動かない、走らない。
というより動けない、走れない。
ドイツに来てまた一回り太った彼を先発で使うパレイラの考えが理解できません。
レイリア戦でよく違いが見られましたが、
ロナウドに代えてロビーニョを投入してから前線の停滞が消え、
嘘のように攻撃陣がイキイキしだしました。
コンフェデでも見せたファンタスティック4という布陣ですね。
このときは攻撃陣が抜群の機動力・創造性・補完性を見せ、
その圧倒的な破壊力で大会を席巻しました。
1年前に試して最高の結果を出している布陣をなぜパレイラは使わないのでしょうか?


議論するまでもなく、もう結果は出ています。
ブラジルが本気で優勝を狙うためには、もう間違いなくロナウドは不要です。
ただ私の理想布陣はファンタスティック4ではありません。
2トップをアド、ロナウジーニョ
MFを左からゼ・ロベルトジュニーニョ、カカ、1ボランチにエメルソン。
というのが私が考えるブラジルのベスト布陣です。
ロナウジーニョバルサ同様、右に左に前に後ろに好き勝手に動いてもらい、
そのスペースを戦術理解に長けたMF陣が使うという形です。
なにより今季リーガでゴールを量産した
ロナウジーニョ決定力を活かさない手はないと思うんですよね。


守備の局面でもMF陣が労を惜しまず走ってくれますから、
それほど大崩れすることはないと思います。
中でもゼ・ロベルトは素晴らしいインテリジェンスをもっています。
常に気の利いたプレーをしてくれるんですよね。
地味な役回りですが、セレソンをしっかりと支えている存在です。
ロビーニョに関しては今と同じ後半の引っ掻き回し役が一番合っていると思います。
疲れのでる後半に彼にペダラーダを仕掛けられると、
どうしてもファールしてしまうでしょう。
そしてセットプレーになれば優秀なキッカーがズラリと並びます。
この攻撃陣を止められるチームを私は思いつきません。
次の日本戦は主力を温存してくるのでしょうが、
パレイラには決勝トーナメントを見据えて
前半だけでもいいのでこの布陣、もしくはファンタスティック4を試してもらいたいものです。