バレンシアvsレアル・マドリード


こんばんは^^
今節からまた試合のレビューを書いていきたいと思います。
記念すべき復帰第一弾の本日はメスタージャで行われた
バレンシアvsレアル・マドリードビッグカードです。




まずはスタメン、ホームのバレンシア


      モリエンテス   アングロ


ガビラン        シルバ       ホアキン



           アルベルダ


モレッティ                 ミゲル


       エルゲラ    アルビオル


          ヒルデブラント



続いてアウェーのレアル・マドリード


        ラウール    ルート


ロビーニョ                 グティ


        ガゴ     ディアラ


マルセロ                  セルヒオ・ラモス


      メッツェルダー  カンナバーロ


          カシージャス




え〜〜〜っと…
バレンシア、それでいいのか!?
大嫌いなキケが解任されたのはうれしいことだし、
彼の消極的な戦術に辟易していたのは間違いないんですが…。
まあ、いいや。
対するマドリーの方はスナイデルを温存。
先日のデポルティーボとの試合も前半は温存したので、今日は先発かと思っていましたが。
デポル戦のように中盤で苦労するようなことはないでしょうが、どうかなぁ。
試合前はそんなことを考えていました。


しかし、始まると凄まじい試合でしたね。
開始と同時にルートとラウールが激しいチェイシング。
ホアキンの上げた苦し紛れのアーリークロスをカットし、そこから
ガゴ⇒ラウール⇒マルセロ⇒ロビーニョ流れるようなワンタッチのパス回し。
カウンターで一気に攻め込んだロビーニョがDFをかき回し、
最前線ルートの後ろのスペースを見逃さなかったラウールにラストパス。
そして見事なコントロールシュート!
ポストに当たってネットを揺らし、あっという間にマドリーが先制します。
いや、すごい。
人とボールが素早く動き、一気にシュートまで持ち込みましたね。


いきなり出鼻を挫かれたバレンシアにマドリーは容赦しません
前線のルート、ラウール、ロビーニョがボールを追い回し、
苦し紛れに出たパスをガゴとディアラが次々にインターセプト
それと同時に始まる中盤でのワンタッチの華麗なパス回しからフィニッシュ。
ため息のでるような展開にバレンシアは成すすべがありません。
ホアキン、ガビランの両サイドがまったく仕事をさせてもらえず、
シュートにさえ持ち込めない展開が続きます。
そして24分、セルヒオ・ラモスのロングボールをラウールが頭で落とし、
エルゲラを子供扱いしたルートがヒルデブラントを交わして無尽のゴールへ。
0−2
体の使い方が抜群にうまかったですね。
エルゲラはファールも辞さない止め方をしましたが、まったく意に介さずでした。


さらに攻勢は続きます。
30分、再三チャンスを演出していたガゴとディアラのパスカットからゴールが生まれます。
マドリーからボールを奪い返したバレンシアですが、
シルバに出たパスをディアラが素早いチェックで奪取。
ボールを受けたグティから絶妙のルーパスが前線に残っていたセルヒオ・ラモスへ。
中の状況を確認し、角度のない位置から思い切ったシュート。
完璧なスピードとコースでポストを叩いたボールはネットに吸い込まれます。
いや〜、これはゴラッソですね。今節の個人技No.1ゴールではないでしょうか。


0−3
これで試合は決まりました。
しかし更に更に攻め立てるマドリー。
36分にも分厚い攻撃を仕掛け、バイタルエリアでボールを受けたグティから
右のロビーニョへまたまた絶妙のループパス。
シュート性の折り返しにルートが飛び込んで合わせて4点目。
バレンシアの息の根を止めるこの日2点目のゴールで前半を締めくくります。
この展開も非常に美しかったですね。
ラモスのゴールが個人技なら、これは連携技No.1といったところでしょうか。
何よりグティの判断が素晴らしかったですね。
ボールを受けた際に彼は左を向いていました。
その目にはフリーのマルセロが映っていて、スタジアムあるいはテレビの前で見ていた人、
そしてピッチに立っていた選手たちのほとんどがマルセロからのクロスを頭に描いたはずです。
実際、その展開でも十分にビッグチャンスになったと思いますが、
そこで改めて周りを見て、その上の選択肢を見つけられるグティ判断力と冷静さに脱帽です。


0−4となって前半は終了。






ん〜






ビューーティフォーーーー!!!




完璧です、マドリー。
前半は一切文句のつけようのない完璧な内容でした。
コンパクトな3ラインと連動的なプレス。
イーブンボールへの反応の速さ。
攻守の切り替えの速さ。
中盤を制圧するパス回しの華麗さ。
1対1の競り合い。
スペースへのフリーランニング。
プレーのイマジネーション。
全てにおいてバレンシアを二枚も三枚も上回りました。
0−4。
この結果はまったく妥当なものでした。
前半のシュートは全て決定的なものでしたから、実際には0−6でもおかしくない内容でした。


ロビーニョとマルセロが、ホアキンとミゲルに完勝。
セルヒオ・ラモスが、ガビランに完勝。
ディアラとガゴが、アルベルダとシルバに完勝。
メッツェルダーカンナバーロが、モリエンテスに完勝。
ラウールとルートが、エルゲラアルビオルに完勝。
全ての局地戦を制したマドリーが一方的にゲームを支配したのは当然の結果でした。


基本的には左サイドからの攻めが多かったんですが、
左に引き付けてからフリーになったグティに渡し、
そこからスルーパスで崩す展開が面白いようにはまりました。
ラウール、ロビーニョ、ルート、そして更に駆け上がってくるセルヒオ・ラモス
入れ代わり立ち代わりで裏に飛び出すこの4人をバレンシアDF陣はまったく捕まえられませんでした。


一方、やられ放題だったバレンシア
手薄な中盤を見事に突かれてしまいましたね。
アルベルダ1人ではフィルターが機能せず、前線にもパスが通らず。
仕方なくボールを受けに下がってきたシルバへのパスは、
ディアラが待ってましたとばかりにインターセプト
そして失点を重ねるごとに両サイドの前掛かりは加速し、
それによってまた中盤が薄くなっていく悪循環から抜け出せないままゲームが決まってしまいました。


監督交代直後であることも影響しましたね。
2点目、もしくは3点目が決まった段階で何らかの指示が成されるべきでしたが、
前半終了まで改善は見られず。
そもそもビセンテの投入を後半まで待つ必要があったのか疑問です。
結果論ですが0−3となった時点でビセンテを投入していれば
何らかのアクションは起こせていたように思います。




後半は予想できた展開に終始しました。
マドリーはペースを落とし、警告を受けていたマルセロを交代。
エインセを復帰させます。
さらにルート、ラモスを休ませ完全に休養モード。
バレンシアは後半からようやく落ち着いてボールを持てるようになり、
ホアキンの突破からアングロが一矢を報いますが、
そのわずか6分後にロビーニョにダメ押し弾を決められ抵抗をやめます。
試合はそのまま終了。
取るべき時間にしっかり点を取り、さらに畳み掛けて一気に試合を決めたマドリー。
このビッグマッチでまさかここまで思い通りにいくとは思ってなかったんじゃないでしょうか。


前半の内容はシュスターがヘタフェ時代に魅せていた内容そのまま。
そして今、レアル・マドリードで理想とするフットボールでした。
あの頃、ビッグクラブを相手にどんなにいい内容の試合をしても、
一流選手のスーパープレー一発で帳尻あわせされ、さぞ悔しい思いをしていたでしょう。
しかしマドリーの監督に就任し、ヘタフェでは喉から手が出るほど欲しがっても手に入れられなかった
タレントがあっさり転がり込んできました。
その上で自分の理想とするフットボールをそのタレント達が完璧に実戦してくれれば、
もう笑いが止まらないでしょう。


唯一の問題は2トップでしょうか。
ラウールとルートのコンビネーションは抜群です。
相性も良く、お互いを理解しあっているコンビです。
現在リーガでは、アトレティコフォルランアグエロ
マジョルカのグイサ・アランゴなども好調ですが、
この2人のパートナーシップは間違いなくこの2つのコンビと並びリーガトップのレベルにあります。
しかしどちらか一方が欠けると、途端に苦戦するんですよね。
デポル戦もラウール投入までのルートとサビオラのコンビはほとんど脅威を与えることができませんでした。
この先も3つのコンペティションを戦う上でサビオラ
そしてイグアインやバチスタ、ソルダードらがどこまでできるか
正直言って不安です。


一方、監督解任というカンフル剤がまったく効果のなかったバレンシア
同じ監督交代でもセビリアとは大きく違いましたね。
前節のセビリアは今節のバレンシアと全く同じ状況でのビッグマッチを迎えましたが、
結果は対照的でしたね。
とにかく自分たちの得意な戦い方をし、常に先手をとったセビリア
今までの戦い方を変えた無謀ともいえる戦術で、常に後手に回ってしまったバレンシア
現在の順位とは正反対の未来を両者に見ました。


バレンシアクーマンの就任が正式に決定したようですが、
今後どのようなフットボールを見せてくれるのでしょうか。
お願いですからキケみたいなのは勘弁してくださいね。
そしてマドリー。
次の相手はセビリア。ビッグマッチが続きます。
彼らもバレンシア戦で見事な試合運びを見せました。
今日のマドリーの出来を見て、
両チームのガチンコバトルが非常に楽しみになってきました。
思う存分、ぶつかり合ってもらいたいと思います。